投資と言えばまずは積立てNISA・IDECOが中心とされるべきですが、既に積立てNISA・IDECOを実行している場合には個別株の購入も選択肢に入ってきます。
しかしながら積立てNISA・IDECOに関する記事でも述べたように、個別株よりもリスクを抑えた商品であるETFの購入を優先すべきです。
殆どの人にとって積立てNISA・IDECOそれに追加のETFで投資は完結します。自動定期定額の積立だけにして投資のことを忘れたいのなら追加分も投資信託の積立でも構わないくらいです。(カード1枚に付き月額5万円が上限、ポイント獲得に利用できます。)
個別株の購入はあえて利益の為にリスクをとる行為だと思ってもらっても構いません。ここから難易度がグッと上がってきます。
以下個別株の始め方をタイプ別に述べていきますが、ETFのパフォーマンスでは満足できずリスクをより高めてでも収益率を上げたい方に向けたものであることをご了承ください。
放置型(時間をとれない人向け)
個別株を購入して放置することは本来危険な行為です。
忙しくて株の監視・分析の時間がとれないのであれば尚更アメリカ株のETFを勧めます。
購入後対象の業績の確認をしないので個別銘柄の倒産リスクへの対応が難しいからです。
リスクを抑えるためには複数の銘柄へ分散投資をすることと、慎重な銘柄選択が必要になります。
投資銘柄の分散化は焦る必要もないので、1銘柄ずつ毎月別の業種の銘柄を選択して投資していけば1~2年もしないうちに分散投資は完成します。
分散投資としては10~20銘柄もあれば充分なので、後は均等になるように毎月積み増していくだけです。精鋭を選ぶべきなので無理に数を増やす必要もありません。迷ったらその月はETFを買えばいいのです。
この方法を採る場合にはアメリカ株を前提として話を進めていきます。
アメリカ株と日本株の長期チャートを比較すればわかるように、長期的に見ると日本株とは異なりアメリカ株はひたすら右肩上がりの成長を続けていて暴落後の回復にかかる時間も短くこの方法には適しているからです。
問題はどの銘柄を選ぶかにあります。
ポートフォリオ(構成資産一覧)の軌道修正が難しいため高パフォーマンスよりも安定性を求める必要があります。
しかしながら安定性だけを重視していくとバフェット〇郎さんのようにポートフォリオ全体としてはSP500平均よりもパフォーマンスで劣る事もあり、わざわざ個別銘柄を購入せずともVOO・SPYなどのETFを買って放置したほうが逆に結果として良い場合が出てきます。
このような問題に対応するためにも選択肢としては①高配当株から成長性も確保されているものを選ぶか、②高成長業種から安定性のあるものを選び、この2つを混ぜるのが現実的だと思います。①だけだとどうしてもSP500平均よりパフォーマンスに劣ります。
放置型とは書きましたが、せめて一年に一度はポートフォリオ内容の見直しをしたほうがいいです。
自身の判断で内容を確認して絶対確実だと思う物のみ投資の対象にしましょう。「たぶん上がる」とか「期待できる」程度なら個別株は止めてその資金をETFに回した方が賢明です。
①高配当株から選ぶ場合、配当が維持されていることが大事なので目安として別の記事で「連続増配年数ランキング」を挙げました。
連続増配当企業は中核事業が成熟しており業績のブレが少なく安定していることが多いです。
しかしながら逆に言えば今後の成長性に乏しい企業も多く、これから先の低迷が予想される企業もあります。
そのため月足チャートを確認して右肩上がりの企業だけを選ぶ必要があります。
客観的データが容易に揃うことと、検証内容が少くて済むことから忙しい方にも向いています。
それとは逆に「高配当企業ランキング」をそのまま用いるのはお勧めできません。ランキング入れ替わりも多く安定せず業種も不動産等に偏る場合が多いからです。
業種が偏ってしまうと分散投資の意味が殆ど無くなってしまいます。
特にREITだと資金の払い戻し的な配当も多く成長が見込めない場合も多いです。
②高成長業種から選ぶ場合、あなたの保有する情報量によって選ぶ対象が大きく変わります。
特に2021年2月現在アメリカの大統領が代替わりしたばかりで不明な点も多いです。
新大統領が環境・医療・教育・ITに関心を持っている事に留意しながらも、あくまで長期目線から成長が見込める業種をSP500ヒートマップから選ぶといいでしょう。
SP500ヒートマップは業種別にまとめられているので、業種を選んだら次はその業界トップ企業と2番手をそれぞれダブルクリックしてみてください。
まずは月足チャートを選択して右肩上がりのチャートになっているかを確認しましょう。
次に同じfinvizのページからstatementsを探すか、YahooFinanceの株価検索に対象企業のティッカーコードを入力し業績も確認しましょう。売上と利益が上がり続けていれば問題ありません。
安定性という意味では自己資本比率が高い企業のほうが倒産リスクが低くなる傾向があります。
放置型の場合、個別株は会社を選ぶというよりも業種で選んで、チャートや業績で絞り込むイメージのほうがお勧めです。
監視型(時間をとれる人向け)
こちらは定期的に四半期業績と日足チャートを監視して利確損切が可能な方にお勧めです。もちろん月足チャートの確認は大前提です。
業績を監視する場合、年次決算のみならず四半期決算も確認したほうがいいです。
ニャン吉はTwitterの「いいね」欄を決算情報のメモとして使っています。
決算カレンダーや決算内容の良かったものや逆にそれらを吹き飛ばしそうな大きな問題があればメモとして「いいね」欄に残すようにしています。(現在は決算カレンダーやEarningsNewsを使った個人的な決算メモをツイート欄に残すように変更しています。 TotalRevenueとNetIncomeが過去2期とTTMを通して上昇し続けているもののみを選出、赤字企業とREITは排除、但し上場3年以内なら赤字削減でも選出しています。)
決してこれらはおすすめ株という訳ではありません。ここから上昇率・チャート形状・コンセンサス予想等で更に選別を必要とします。
①最初の購入はSP500ヒートマップから月足と日足チャートが右肩あがりで成長の望める企業を選び、後から決算内容の良し悪しで株の追加購入・売却を決めるべきです。
但しニャン吉は日足チャートのレジサポとチャネルラインも意識してタイミングを決めています。
実際ポートフォリオ中の個別株の殆どはSP500企業から選んでいます。
平均よりイケてる企業をSP500の中から選べば自然とパフォーマンスもSP500平均を超えるようになります。
最新の決算で方向性が変わるので、四半期決算も含め常に最新の決算情報を仕入れるようにしてください。
更に各企業の決算短信を常に監視できればそれがベストですが、ニャン吉は面倒くさいのでTwitterで情報を集めて済ませてしまっています・・・
②IPO(新規上場)したスタートアップ企業はテンバガー狙いで購入対象となりますが、リスクも高い銘柄となるので特に慎重になる必要があります。
初心者向きではないので特にお勧めはしません。
こちらはチャート情報が少ないので決算頼りになりがちです。
当然リスクも高くなるので決算内容だけで漫然と買うのではなく、成長の見込みを厳しめに判断する必要があります。
そのため例えIPO株に挑戦するとしても、ポートフォリオにおけるIPO株の割合は低く抑えるべきです。
こちらは決算内容が悪化すればすぐ損切りするつもりでいたほうがいいです。面倒でも最新の決算短信を常に読み込みましょう。できないのならIPO株には手を出さないほうがいいです。
IPO企業は設備投資を積極的にする段階にあるので、売上を伸ばしつつも赤字になることは普通にあります。そのため決算でも売上優先の判断にするときが多々あります。
基本アメリカ株を勧めるニャン吉ですが、テンバガー狙いであれば日本株も有力な購入対象となります。ついでに「日本株の5つに1つが10倍高 実はリーマン以降に達成: 日本経済新聞 」も一読をお勧めします。
株のスクリーニングには証券会社のサイトを、業績確認には株探を使っています。
なるべくなら各社の決算短信を直接確認すべきなのですがニャン吉はズボラです・・・
チャートと業績を適切に監視して損切ができるのなら、将来的には投資の分散を控えていくという選択肢もあると思います。
大きく勝っている投資家は分散投資よりも集中投資に多いからなのですが、リスクを上げる行為でもあるので慎重に判断すべきです。
デイトレや信用取引は?
デイトレードや信用取引は投機になりがちでリスクを高める行為なのでニャン吉はお勧めしないです。
確かにデイトレードをすることでトレードの機会は増えますし、信用取引をすることによりレバレッジを上げることができます。
しかしながら別の記事で述べますが、株のデイトレードをしたり信用取引で2~3倍程度のレバレッジを掛けるくらいなら、FXでデイトレードをしてレバレッジを2~3倍掛けた方がまだ安全性が高まります。
株取引は投資としてはプラスサムゲームであり全体の成長が見込めますが、投機としてはFXと比べて相対的に得られる情報量が少なく・公平性も低く・取引機会も少なく・手数料も高いです。
投機をするなら投機に向いた商品を使うべきであり、株は投資に向いた商品なので投資として安定性を重視した方法をとることをお勧めします。
大きく勝ちたいという気持ちはわかりますが、ニャン吉としては焦らないこと・我慢すること・待つことをお勧めします。
のちのち投機(トレード)についても記事を投稿しますので是非ご一読ください。
但しトレーダーとして勝ち続けることは投資家として勝ち続けるのと比べ遥かに難しいと言われています。
あなたには参加者の大半が勝てる方法があるのに、わざわざ参加者の10%しか成功しないような茨の道を歩く必要があるのでしょうか?
投機家への道へ進む前に慎重になって考えてみてほしいです。