金投資には積極的になれない理由

最近また金投資の話題がよく挙がっていますよね。
リスクオフ時に価格が上がるとしてリスクヘッジに、インフレ率上昇に備えて、あるいは安全資産の確保等、人によって理由も異なるのかもしれません。
でもニャン吉は金に限らずコモディティ取引を含む商品先物取引が嫌いです。そしてコモディティ取引を初心者へ勧める人も嫌いです。

投機全般に言えることですが特にコモディティ取引が嫌いな理由として、一つはレバレッジが高すぎて初心者どころか一般向きですらないこと、もう一つにはマーケットがプラスサムにはなり難く成長へ向けての投資ではないこと、そして最後には限月やロールオーバーの価格調整費があること、が挙げられます。
正直儲かる要因よりも損する要因のほうが多いです。特に最後の調整費、商品先物の場合保管費用の意味合いもあるのか殆どマイナスしか見たことがないような気がするのですが・・・

ブログでFXについても記事を書いているので意外に思うかもしれませんが、もともとニャン吉はレバレッジ利用については抑制的です。
FXをしているのは決済期限がないことと、自らの工夫でリスクが充分抑えられると判断しているから参加しているだけです。

金は安全資産とも言われていますが実際は様々なリスクを抱えています。
現物であればレバレッジによるリスクは回避できますが、今度は盗難リスクや保管場所について悩まなければなりません。
そもそも私達は金保有に頼らなければならないほど政情不安な国に住んでいるのでしょうか?
そして金価格の変動・為替の変動・成長資産との相対的格差等、現物であっても金にはリスクが付きまといます。

金相場45年を振り返る|第一商品 (dai-ichi.co.jp)より引用

金が長期的な投資に向いているとも思えません
よく金は限られた資源で価値が下がらないとか聞きますよね?

でも上表の金価格を見て貰えばわかるように、長期的な円換算での金価格は決して右肩上がりとは言えません

ドル換算で見てもアメリカ株と比べてパフォーマンスが上というわけではありません。
同期間のパフォーマンスを下の表と上の表とで比較してみてください。
長期的な投資としてならSP500のほうがパフォーマンスも良く信頼できます

米国株(S&P500)の長期チャート(1927年以降)
米国株(S&P500)長期推移(チャート・変動要因) / 30%以上の暴落は過去8回 – ファイナンシャルスター (finance-gfp.com)より引用

短期的な動きよりも長期的な判断を優先してニャン吉は株を買います。
積立の話以降何度か触れてきましたがバーゲンセールを恐れないようにしています。

本当は底値がどこなのか分からないので内心ビクビクですが^^;
対策として個別株では少しずつ分散して指値の網を置いています。
少しずつ底値を探りながら買い進めているのです。

まあ個人的なブログの個人的な意見に過ぎませんが、ニャン吉はこの局面でも金投資には興味がありませんという話でした^^;

4日深夜のパウエル発言・・・寝てました^^;

日本時間の深夜2時というとNYはお昼頃でしょうか。パウエルさんの会見がありました。注目されていたのはテイパリング(量的緩和の削減)の必要性を考慮しているかどうかだったのではないでしょうか?
結果としては量的緩和・金融緩和を現状維持で、10年国債利回りについてはノーコメントだったようです。
一部に失望の意見もありますが、今回は仕方がなかったのではないかと思います。
実は今回ニャン吉はそんなもんだろうと思って、夜は熟睡していました^^;
FRB議長、「無秩序」になれば懸念-具体性なく市場は拍子抜け – Bloomberg 記事ではパウエルさんの発言を受けて利回りが上昇となっているのですが、これテイパリング発表していたらいたで上昇していませんか?^^;;

今週は何度か上昇が収まりそうになった10年国債利回りが跳ねることがあり、なかなか緊張した夜を過ごした方も多かったのではないかと思われます。
今回の調整はここが底とされる方もいますが、ここからが始まりとする方もいて、なかなか予断を許さない状況になってきました。
ニャン吉も一部の株では30%Offのところまで指値を入れていたのに全部刺さったものもありましたが、狙っていた株のなかには10%Offの指値すら刺さっていないものもあって、その極端さから評価に悩んでいました。

インフレを抑えるためにもテイパリングすべきとの意見もあるみたいですがそれって量的引締めのことなので、今されたら株価は大惨事になりそうですね(ノ_く。)
でも実は既にコモディティ価格は上がっており、特に食料品の上昇率は無視できないものがあります(食料価格、インフレ率や所得上回るペースで上昇の勢い-世界的に懸念 – Bloomberg)。
となるとコモディティ取引か・・・ということろですが、ニャン吉はコモディティを直接取引することは避けますし、お勧めしません

先物取引なんて破滅への一本道ですし、CFDですら危険性は大きいです
もちろんレバレッジを抑えることにより危険性は下げられますが、その場合価格変動から得られる利益も低くなります。
そして先物取引にも例外はありますが、基本的にはアメリカ株のように長期的に右肩上がりなわけでもFXのように再帰性が高い商品というわけでもありません。
もちろん例外はありますが限月も大きなネックになります。
それならまだコモディティ価格の影響を受ける株、たとえば日本株なら商社株とかこれからコロナワクチン普及後を見据えた飲食系の株等のほうがまだ勧められますが、実はこれらの株は既にかなり前から上昇を始めていて今から飛び乗るべき株なのかというと判断に悩みます。
もともと長期投資がメインな訳だし、悩んだら焦らず待つ、これに尽きます。

まだドットコムバブル時のときほどではないのですが、ウォール街の米国株強気論、逆張り派の「売りシグナル」点灯に近づく – Bloomberg の記事にもあるように、この先の暴落の可能性も無きにしも非ず、備えておいて悪いことはありません。
個別株だといろいろ判断材料も目まぐるしく変化するので、今日あったことが明日には無いとか、意見が逆の意見とすり替わっているなんてことはよくあることです。
毎日の変化に対応できないようでしたら、尚更ETFや投資信託の積立てをお勧めします。これならば鉄板で同じことを言っていられますからね^^

積立NISA・IDECO・ETFの出口戦略

もしも積立NISA・IDECOやETFの積立てをしていて受け取り時の価格が低かったらどうするのか?
結論からいうと自分の納得いく価格になるまで売却はせず積立て続ければいいということになります。
もともとETFの積立てなら制度的な制約は何もないのですから値段が上がるまで売らなければいいのは当然です。
以前の記事でドルコスト平均法について触れましたが、暴落時は平均購入価格を下げるチャンスなので下手に損切りなど考えず積立て続けていればいいのです。

 

つみたてNISAの場合はどうでしょうか?
積立NISAは毎年40万円までが20年間非課税となります。
実は現時点では証券会社でも20年後の積立NISA適用投資信託の扱いがどうなるのか、はっきりとは知らされていないそうです。
しかしながら20年目が来てしまったとしても決済せずに特定口座に移して投資信託を保持できるか、あるいは一旦決済となってしまったとしても同じ商品を同額購入で特定口座で保持はできるだろうとのことでした。
そう、たとえ強制決済があったとしても即時同額購入をして機会を待って保持し続ければいいのです。
なので21年目以降の上昇分については約20%の分離課税はあるものの、あなたの納得できる価格になるまで積立NISAで選んだ投資信託を現金化する必要はありません

 

ではIDECOの場合はどうでしょうか?
こちらは積立てができるのは60才までと制度で決まっていますが、決済するのは60~75才までの間なら自由に選べます。もちろん待っている間も資金は運用され利益を得ることができます。
詳細は「【iDeCo】老齢給付金の請求を60歳以降に繰り下げることはできますか?その場合、運用はどうなるのですか?」とそのリンク先で確認できます。
ただ、以前の記事で積立NISAは強く推したのにもかかわらずIDECOは40年なら1万円程度でも充分だとしたのは最終的には税金が(特にサラリーマン等退職金を受け取れる人に対して)かなりの額で発生してしまい、せっかくの分離課税非課税の利点が薄れているからなのですがそれだけではありません。

IDECOは年金の補完・追加を目的としているので制度的な制約が特に多いのです。
もともとIDECO用に選択可能な投資信託は積立NISA用のそれよりも更に範囲も数も少なく、例えば楽天証券だと正直お勧めできるのは楽天・全米株式インデックス・ファンド くらいしかなく選択肢に幅がありません。
取扱商品一覧 | 個人型確定拠出年金(iDeCo)」からあえて他の投資信託を選ぶとしても次点として楽天・全世界株式インデックス・ファンド くらいでしょうか。
お勧めの理由はそれぞれVanguardのETFに連動しているからですが、順位が付くのは以前の記事でETFについて説明した通りです。
他の証券会社でも結構厳しい状況で、証券会社によっては選択肢にまともなものすらないところもあります。

IDECOは60~75才までの間に受け取りを選択することができますが、逆に言うとその15年間しか決済選択の自由がありません。
さすがにアメリカでは回復までに15年を超す暴落というと1929年の大恐慌くらいしか歴史的にもありませんが、何事にも絶対ということはないという覚悟くらいはしておくべきです。
何の制約もないETFや決済時期の選択に制約のない積立NISAとはここでも違いが出てしまいます。

最後に再度IDECOの税制上のメリット・デメリットを書きますが、メリットについては各証券会社のHPやIDECO公式HPにも記載がありますが、デメリットについては分断された情報だけしか記載されていません。
まずメリットとしては約20%の分離課税が非課税となることと、積立額がそのまま所得控除となることの2つです。
但し2つ目は税額控除ではなく所得控除に過ぎないので積立額の一部だけが節税になります。丁度所得が所得税率区分の境界線近くになる人以外は大したメリットにはならないと思います。それよりも後々のデメリットによる減殺が大きいのです。

そしてそのデメリットについてですが、これはまるでメリットの一部のように記載されていることも多い為ややこしいです。
IDECOは純粋な投資というより年金の補完・追加なので決済後の受け取りも「老齢給付金」として「一括受け取り」か「年金型受け取り」の2つから選ぶことになります。

「一括受け取りの場合退職金控除が効きます」と記載されていることが多いのですが、これは裏を返すと退職金として課税されることを指します。
具体的には「(退職金 – 退職所得控除)÷2」に対して所得税率分の課税と住民税です。
勤続年数が20年以下なら退職所得控除(万円)= 40 x 勤続年数、21年以上なら退職所得控除(万円)= 70 x ( 勤続年数 – 20 ) + 800、但し勤続年数を片方に使い切ったとしても他方には最低控除として80万円が保障されます。
一括受け取りの場合、退職金とIDECOの老齢給付金のうち額が大きい方に退職金控除を使いたいので、額が大きいほうを先に受け取る必要があります。
そのため額が大きいほうが後になってしまう、とか2つの額に大きな差がない等、条件が合わない場合には「年金型受け取り」を選択することになります。

「年金型受け取りの場合は公的年金等控除が効きます」とどこかに書いてあるのではないかと思います。
これも裏を返すと公的年金同様の税金が掛かり、社会保障料も取られることを意味しています。
こちらは退職金相当の扱いとは異なり1/2の適用がありません。
つまり公的年金等控除分を超えた金額は全て雑所得として所得税の対象となってしまうのです。
そのため受け取り時に退職金控除あるいは公的年金等控除のいずれか余裕があるほうに合わせて受け取り方を指定する必要があります。特に公務員やサラリーマンですと控除額をかなり使い込んでいる場合も多いからです。

ややこしかったですか?(ノ_く。)
IDECOにも積立NISA同様の分離課税非課税がありメリットは大きいです。
でもIDECOには制約も多く、デメリットも存在します。
特に最終的な受け取り金額が大きくなりすぎると、メリット分以上のデメリットになりかねないので、バランスをとると40年積立てるのなら1万円でも充分と以前言っておきました。
試算をしたい場合には「積立計算(複利毎課税)」サイトを用いて、退職金との兼ね合いを考えながらIDECO老齢給付金を算出し、それぞれ「一時金」と「年金」型に合わせて税金を計算してみてください。
投資としてのIDECOではあまり積立額に欲張り過ぎず、ニャン吉的にはそれ以上を求めるならETF積立をすることをお勧めします。
もちろんIDECOを全否定しているわけではなく、IDECOの利点は積極的に享受すべきです。